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非凡な現場のつくりかた 実例で探るたくましい組織

大前駿二 著

ISBN:978-4-905234-08-1 A5判/148頁

発行日:2022/5/26 現在庫:あり

 

 現場力は、「保つ能力」「よりよくする能力」「新しいものを生み出す能力」から構成され、これが企業間格差を生じさせる。すなわち、大半の企業は業務遂行を確実におこなう現状維持型企業(平凡な現場)だが、「保つ能力」に欠陥があり競争力が劣化している企業(平凡以下の現場)、価値増大に直結する改善や創意工夫(よりよくする能力)や価値創造に取り組み競争力を高めている企業(非凡な現場)に分かれる。 
 非凡な現場をつくりあげるキーパーソンをエンジニア(技術者)とナレッジワーカー(技能者)とみる著者は、従業員として、経営者として、そしてコンサルタントとしてかかわった豊富な実例から、その育成を核とした現場マネジメントを探る。 

非凡な現場のつくりかた 実例で探るたくましい組織

¥1,980価格
  • はじめに

     

    第1章 マネジメント力を構成する現場力とマインドセット力

    1 マネジメント活動の中の現場力とは?

    2 「現場力」解明へのアプローチ

    (1)なぜ現場・現場力にこだわるのか、もしくはこだわるべきなのか?

    (2)現場とは何かを理解していきましょう

    ①価値を生み出す日本の現場

    ②業務遂行主体としての現場の意識

    (3)競争戦略と組織能力に関しての考察

    ①現場に潜んでいる「能力」とは何か

    ②戦略策定から戦略実行へ

    ③戦略のコモディティー化

    ④ポジショニングと組織能力

    (4)現場力とは何か

    ①現場力を形成する3つの能力

    ②「保つ能力」とは何か?

    ③「よりよくする能力」とは何か?

    ④「新しいものを生み出す能力」とは何か?

    ⑤「平凡」と「非凡」の差

    ⑥「知識創造主体」としての現場

    3 非凡な現場をつくることの重要性

    【事例Ⅰ】1/Nへの挑戦/デンソー

    4 合理的な必然性とは

    (1)「活動」と「能力」の違い

    (2)戦略的必然性と信条的な必然性

    5 現場力を深化させる道筋

    (1)カイゼン活動

    【事例Ⅱ】暗黙知を形式知化/住宅金融公庫

    (2)なぜ、組織活動は頓挫してしまうのか?

    ①自律分散型組織の構築には手間暇がかかる

    ②「保つ能力」と「よりよくする能力」はまったく異なる能力である

    ③「最低でも10年」のつもりで時間軸を長くとる

    ④まず本社が変わること

    ⑤業務にメスを入れる

    (3)問題解決力の強化

    【事例Ⅲ】問題解決能力強化への取り組み/日本郵船

    (4)「極める現場」を目指す

    【事例Ⅳ】儲かる5Sに挑戦/サンドビック・瀬峰工場

    6 合理的な仕組みとは何か

    【事例Ⅴ】「よりよくする能力」をコア能力化するための合理的な仕組みづくりへ/良品計画

    7 ナレッジワーカーを育てる

    8 経営者への期待と役割

    ①現場を未来に向かわせる

    ②現場の持てる力をすべて解放させる

    ③現場は理詰めでないと動かない、ただし理詰めだけでも動かない

    ④部分最適を排除せよ

    ⑤現場は見ている

    9 現場力に影響を与える「マインドセット力」とは何か

    (1)マインドセット・マトリックスとは?

    (2)現場指導の際の活用の仕方

    10 「さびつく現場」からどのように脱却するか

    (1)「さびつく現場の実態」を再認識

    (2)組織論としてどのような対応策が考えられるか?

     

    第2章 技術および技能オリエントへのアプローチ

    1 技術オリエント・マネジメントと技能オリエント・マネジメントの区分・定義

    (1)技術部門を有し、エンジニアの機能・役割を重視する組織の在り方

    (2)発注元の影響を受け、技能者の力量を重視する組織の在り方

    (3)技術および技能オリエント・マネジメントの共通基盤と活用策の提案

     

    2 技術および技能オリエント・マネジメント事例、ならびに人材育成事例

    (1)技術オリエント・マネジメントの事例

    A.装置産業、技術・設計部門での現場力の重要性

    B.アフターサービスビジネス構築におけるグローバル人材の育成術

    C.中小企業・加工業におけるマルチプレーヤーの育成の難しさ

    (2)技能オリエント・マネジメントの事例

    A.神戸製鋼・製鉄所での管理・監督者の現場力

    B.アラブ・カタール製鉄所のインド人現場リーダー像

    C.中小企業指導での気づき、“現場リーダーの機能と頑張り”

    (3)技能および技術オリエント・マネジメントの事例から学べるもの

     

    第3章 技術および技能オリエントによるマネジメント

    1 技術および技能マネジメントにおける人材育成の阻害・障害要因

    (1)エンジニアが主役の組織運営のなかで、部分最適思考、分業制、デジタル化(DX視点)の傾向をどう認識するか

    (2)発注元の影響を受け、技能者の力量を重視する組織の在り方は?

    (3)技術オリエントおよび技能オリエントによるマネジメントの共通基盤とその活用法

     

    2 技術および技能オリエント・マネジメントの成功へのアプローチ

    (1)マネジメントを演劇になぞらえて表現すると…

    ①脚本の準備

    ②監督者(リーダー)の指導の在り方

    ③演技者に期待されるもの

    (2)もっと、現場で実際に生じた出来事を注視してみると…

    ①潜在能力はあるが成果が上がらないエンジニア

    ②品質不良モニタリング会議の実践が奏功

    ③ISO管理システム導入も成果が見えない

    ④先進的価値観の商品開発とCS思考のサービス現場

    ⑤中小オーナー経営者の短期視点経営の弊害

    ⑥管理職の問題解決力が醸成されない

     

    第4章 中小企業における成功・失敗事例から何を学ぶか

    1 調査企業のマネジメント力の比較

    2 各社の分析結果・要点

    (1)技術オリエントグループ

    ①SN社(産業機械装置の設計・アフターサービス会社)

    ②N社(舶用制御装置の製造・アフターセールスサービス提供)

    ③M社(家電製品関連の金属プレス・加工・組み立て会社)

    ④SZ社(大型装置組み立て企業への鋼材加工・供給会社)

    (2)技能オリエントグループ

    ①ST社(表面処理・加工会社)

    ②KD社(アルミ金型鋳造・加工会社)

    ③HGS社(福祉機器・製造販売会社)

    ④YR社(皮革鞄製造・販売会社)

     

    第5章 組織力を醸成するエンジニアとナレッジワーカーの育成

    1 現場力の理解と実践

    (1)現場力の再確認、チェックリストの活用

    (2)現場力改善に向けてのアクションプランは?動かすのは、エンジニアかナレッジワーカーか?

    ①エンジニアのコンピテンシーに着目!

    ②ナレッジワーカーの誕生には、何が必要か?

    (3)マインドセット力の醸成と階層別人材育成システムが真のマネジメント力に終結していく

    ①マインドセット・マトリックスの現状と活用策

    ②階層別人材育成制度の構築と変動対応

    2 階層別人材育成策の有効性と限界(目的別研修制度の提案)

     

    第6章 コロナ禍に打ち勝つマネジメント、DX対応の実態分析

    Ⅰ.「コロナ禍に挑戦する中小企業のマネジメント術」

    Ⅱ.「モノづくり現場における中小企業のDXマネジメント対応」

     

    あとがき

  • 大前駿二(おおまえ しゅんじ)

    MOプランニング代表(経営コンサルタント) 日本生産管理学会会員、標準化戦略研究会会員、兵庫工業会所属、神戸市海外B.Cアドバイザー 1946年、福岡県生まれ。九州大学経済学部卒業後、1969年4月、株式会社神戸製鋼所入社。神戸製鉄所業務部、本社人事部、鋳鍛鋼事業部門、国営カタール製鉄所、本社営業企画部を歴任し、1993年、株式会社ナブコ(現・ナブテスコ株式会社)出向、2003年、株式会社ナブテック社長就任。2006年、社長を退任し顧問に就任。 2007年6月、MOプランニングを設立し代表に就任。

    著書:『行動啓発のススメ』共著/I・Pジャパン

       『キャリア・デザイン・マネジメント』あしざき書房

       『管理者のマインドセット』編者(著者:原健一)/発行:MOプランニング、発売:あしざき書房

       『国際人による海外で役立つ人材の育て方』発行:MOプランニング、発売:神戸新聞総合出版センター
     

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